特別受益の問題

遺産相続のときに特別受益が問題になることがありますが、これを回避するためには正しく理解する必要があります。
まず特別受益という制度がなぜあるのか説明すると、そもそもこの制度は生前贈与があった場合に該当しますので、遺産の前渡し分ということになります。
そうすると被相続人が亡くなってから残された財産を分配してもほかの法定相続人が損をしてしまいます。
そういったことにならないためにあるのが特別受益で、いわばこれは名前の通り生前特別に利益を受けていることになるのです。

よくある問題として特別受益に該当する財産かそうでないかで揉めますが、これは分かりやすいものもあれば専門家に判断を仰いだり、裁判に発展するものもあります。
たとえば完全に特別受益として認められるのは遺贈があった場合や結婚・養子縁組のときの持参金・支度金、不動産や有価証券の贈与などがあった場合です。
特別受益に該当する財産に関してはインターネット上にもたくさん情報が出ているので、そういったサイトで確認したほうが早いでしょう。

そして問題は特別受益になるか判断が難しい場合で、ひとつ例をあげると高等教育に必要な学費は特別受益の対象になると言われていますが、高校卒業後に医科大学へ進学するために2年間程度留年して、その間予備校に通っていたときの学費は特別受益にはならなかったケースがあります。
これは被相続人が医者であったことと、大学進学のためという目的がありそれが扶養の範囲内であると認められたからです。
逆に医科大学を留年して医師国家試験を受験するまでの間に通っていた予備校の学費は特別受益として認められた判例がありますが、これは贈与を受けた時点で成人していたことと通常の扶養範囲から逸脱していたことが原因として考えられます。

このように特別受益の問題は判断がやや難しくなることも考えられますので、もし特別受益がありそうであれば、はじめから弁護士などに相談するといいかもしれません。