特別受益が認められない

遺産相続時に特別受益が発生することは割とよくありますが、特別受益が認めらない財産があることも覚えておかなければなりません。
まず一般的に知られている特別受益分とは遺贈された財産や結婚・養子縁組の際の持参金や支度金、高等教育を受けるときの学費や生活費、不動産や有価証券の贈与、借地権の承継などがあげられます。
こういったものがあった場合は特別受益分を残された遺産に一度プラスしてみなし相続財産を出し、その後分配して特別受益を受けた人はそれを引きます。
このように特別受益があった場合の計算方法自体は難しいものではありませんので、難しく考える必要はないのですが、問題は認められるケースと認められないケースの境目を理解しているか?という点です。

まず確実に特別受益分として認められないケースは生命保険で、これは制度の決まりとして認めないことになっていますから、保険金の受取には特別受益は関与しません。
もうひとつ被相続人の持つ家に同居していた場合、その持ち家は特別受益分にカウントされません。
なぜなら家賃を支払っていなかったとしてもその財産が大きなマイナスになっているわけではありませんので、ほかの相続人が損をすることがないからです。

そして被相続人の生前に献身的な介護を行っていて、その間の生活資金として被相続人の財産を受け取っていた場合も特別受益分にはならない可能性が高いです。
これは寄与分が認められる可能性が高いからで、財産を受け取る代わりに被相続人に尽くしていたことがプラスになるからです。
また死亡退職金は少し見解が分かれるところがありますが、相続人の生活援助という面を強調するのであれば特別受益には当てはまらないと考えられます。

このように特別受益は認められるものとそうでないものがありますので、その違いをきちんと把握しなければなりませんし、無用なトラブルを避ける意味でも被相続人の生前から話合っておくことをおすすめします。